100 回目 体表医術の原理の把握

今回は、エネルギーの独立性について再び考えてみる。体表医術の治療対象部は、物理エネルギー(=外力)を動因とするものに限ると主張したい。

ヒトが何かを主張するとき、より真理に近いものほど、広い範囲をカバーする。
例えば「万有引力の法則」。男女間の間にも適応する。両者の位置的関係が近ければ恋愛は成就しやすい。その反対に距離がはなれていれば、両者の関係は弱い。

❖エネルギーの独立性
「エネルギーは同種間で作用。異種エネルギー間ではほとんど作用しない」。
化学剤は化学エネルギーを動因とする疾患にしか作用しない。同様に精神エネルギーについても、精神しか作用しない。物理エネルギーについても物理しか作用しない。

エネルギーの独立性については否定方向に、理屈を述べることはできるが、体表医術者は3つのエネルギーの独立を認識して治療に望むべきだ。

❖エネルギーの独立性を異なる視点から見てみよう
「ヒトは生物によってのみ癒される」。ウルグアイの元大統領ホセ・ムヒカの言葉の1つだ。ヒト/生物の関係は同種エネルギー間になる。

人の幸福度をしる研究も、エネルギーの同種間における作用を良く支持している。
ハーバード大学の70年間にわたる研究がそれだ。日本円にして、年間1億円の予算がつく。所長はハーバード出身がつとめ、すでに3代目になる。

研究をはじめた当初、その対象は14~17才ぐらいの子供達だった。その子供達の生涯にわっての、「幸福度とは何であったか」を知ることが研究のテーマだ。

70年が経ち、生存している彼ら/彼女らもすでに80才の半ばを越えた。その彼ら/彼女らに、人生で幸福と感じられたことは何であったかを尋ねていた。

彼ら/彼女らの答えは
「家庭があったこと/コミュニティでの交わりがあったこと/友がいてくれたこと」と答えている。
誰一人、物/金銭/人生のおける社会的地位などを、幸福度/良かったことに挙げている者はいなかった。

ヒトの心は対生物間以外では、けっして満足感を感じることはなかったようだ。

 *エネルギーの独立性を越えるものとして光合成がある。ただ人類はその方法をまだ6%ぐらいしか手に入れてはいない。

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99回目 ヘパーデン結節を体表医術から考える

40代以後の女性がかかりやすく、70代以後では1/2の女性が発症する。放置していても治らないという。手指に発症して、足趾には発症しない。info@waichisato.com

病理
更年期以後に発症するので、ホルモンとの関係を疑われる。ハッキリとはその原因はわからないようだ。

診断を確定するための条件
・手の第1関節であること。第2関節ではない→「ブシャール結節」と呼ぶ。
・血液検査などでリウマチ/自己免疫疾患でないと確定されること。
・指関節の痛み/腫れなどは左右対称に出る。

❖体表医術から
程度は別にして、身体は常に動揺している。平澤彌一郎教授によれば、左脚を軸にして
時計方向に回転運動をしているという(回転運動は上方からの観察結果をしめす)。

体表医術者の立場から回転運動を説明すれば、動揺はおおよそ3つの方向に極大をもつ:前後方向/左右方向。そして時計の文字版で説明すれば、1:30/ 7:30-4:30/10:30方向になる。

 SOTでは左右方向の極大をCat-Ⅱ。1:30/4:30方向の極大をCat-Ⅰと呼んでいる。

動揺というのは立位を条件としている。動揺は足→頭方向に向かうほど、大きくなる傾向をもつ。足の動揺は極小になる。

ヒトは自然的に、頭部を大きく動揺させることをきらう。そこで身体は2番目に長い
上肢をもちいて、さらに背骨から1番遠くにあたる第1関節をもいて、身体の左右方向の動揺を縮小させようとする。系統発生学的には、四肢は側面構造になる。

テコの原理を思い出してほしい。棒は長ければ長いほど、僅かな力で大きな力をだせる。

年を取って動揺が大きくなるのは、身体の結合水/自由水の自然的減少にもとづくものと考える。

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98回目 体表医術 冬に向かって

97回目に述べた、「事象の原理の把握」は、本年度最後のテーマとして100回目に述べる。 info@waichisato.com

治療を考えるには、各項目から独立的に患者さんを診ると良い。頭の中に円をえがき、
その中心に患者さんをおく。円周上に自分なりに定めた観察点をいくつか配置する。

私の場合、5つほど観察点かある。今回はこれから冬季に向かって大切と思われる、1つを述べる。

❖季節/気温から
冬季3か月間ほどは、身体の反応を捉えることは難しい。その方策として15~20分ほど患者さんに、予約時間よりも早く来院してもらう。外気温と身体温の差をうめるためだ。
勿論、患者さん各自にもそれぞれ予定もあると思うが。

ほ乳類は恒常性維持機能によって、体温は一定に保たれている。その保たれている体温が、あたかも外気温の影響を受けて変化しているようにみえる。

身体から放射される「表現不可」の放射ゾーンが、冬季では抑制状態になっている。残りの9か月間ほどは、放射ゾーンの高さにバラツキはあっても捉えることができる。

いま15~20分の待ち時間と述べた→勿論、それ以上長くてもよい。
時間をかけ治療室温をもちい、患者さんをいわゆる「常温」にもどす。身体反応を正確に診るための条件の1つだ。
空いたベットがあれば、寝ていてもらってもよい。待合室で待っていてもらうのも良い。

 *余談:温められた空気は上昇する。足元を温めるため、流行の空気サーキュレーターを導入することを薦める。床暖房があれば、なおさら良い。

冬季では
身体反応が遠赤外線部分からのものか/サブミリ波~ミリ波領域からの反応かを見極めることが非常に難しい。その日の気温によって対象部が変動する。

❖「間」について
温かい時期でも「間」が必要なことはおおい。まして冬季では、アジャストメントとアジャストメントの間に、身体の反応時間がいる。これを「間」と表現した。
「間」は治療進行に重要な役割をなす。「間」を無視すると、次の治療対象部の特定に
大きな影響をあたえる。

*余談:臨床からいえることは、冬季では1~2分ほどの「間」がいる。
「間」をどのくらいにするかは各自にまかせるが、ともかく「間」はいる。

冬季では「間」が治療のキーになる。

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97回目 アジャストメントを考える

手技独特の考え方の1つに、手を道具化するというものがある。手技はそれしか方法がないともいえる。この出発点こそが、手技療法者に誤解にまねく土壌となっている。
道具の習得が、そのまま治療ができるという錯覚をみちびく。

例えば鍼灸師には鍼/灸という道具がある。漢方医には湯液がある。次は道具をどのように用いれば良いかを考えればよい。
・道具(鍼/灸/湯液)+観察(診断の意味を含む)+治療体系→治癒に向かわせる。

手技は違う。道具がない。いわゆる「カイロ・テクニック」というようなものを学ぶ必要がある。
・道具無し→手を道具化させる→技術を習得する+(――――――)→治癒に向かわせる。(――――――)この部分が手技にはない。

実は(――――――)の部分が手技の落とし穴になっている。手技の習得=治療で出来るという錯覚だ。

カイロ・技法を習得したことは、治療ができるということにはならない。鍼灸/湯液でいうとこの、道具を手にいれた段階にしかすぎない。

❖手技療法者も個々に色々な方法で、(―――――)の部分を補ってはいると思う。
方法はいくつかある。その選定法の1つに私が提案するのが、「事象の原理の把握」だ。

例えば手技療法者が良く用いる脚長測定。原理として2つのものの比較はできない。基準がないからだ。測定には基準となる3本目がいる。

また
非線形系の原理から、「全体は部分の集合より常に大きい」。部分である脚長から何かをもとめることはできない。

中には身体のどこかを触れ、結果として脚長が変化するかどうかを診る者がいる。
脚長変化を誘発した部位に、アジャストメント(=カイロ・治療の意味)をくわえるためだ。

本当に触れた位置以外に脚長を変化させる部位はないのだろうか?無いという確証のないまま、アジャストメントをする。

いまの手技療法は不思議なことがおおい。

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96 回目 骨盤部

カイロプラクティック医術の世界では以前から、骨盤部を重要な治療対象部の1つとしてきた。あえてここに取り上げた理由は、今日の日本におけるその治療方法/考え方に少し疑問を感じるところがあるからだ。 info@waichisato.com

骨盤部分は仙腸関節部/恥骨部をかいして上半身の重さを下半身に伝える、いわば重さの伝達路になる。下半身の力を上半身に伝えるともいえる。

とくに仙腸関節部は治療の進行過程におけるマイルストーンの役目をする。治療対象部がマイルストーンを通過しないばあい、まだどこかに治療を必要とする箇所が残っている。

   *マイルストーン:本来の距離標識の意味ではない。ビジネス用語で用いる、
   「大きな節目」「経過点」「中間目標点」の意味で使用した。

❖パーマー・カイロプラクティック技法
骨盤への治療は分けている:仙骨部/腸骨部/坐骨部/恥骨部。仙骨への代表的な方法が、ローガン・ベイシックになる。

ローガンは治療の進行過程において仙骨治療への有効な方法の1つといえる
・ディア―フィールド・マイナス
・SOTにおけるカテゴリーⅡ
・仙骨変位:AI-PS等に使用する。

Dr.ピィアースもローガンを多用していた。

❖ヒトの仙腸関節部は、
二足歩行で発展した。それを臥位で治療することについては「?」だ。重さの加わる方向が異なる。

ではどのように仙腸関節部を治療すれば良いのか?治療対象部が仰臥位でなく/腹臥位でもなく、立位であるという条件下が整ったという意味において
・立位で/足踏みをさせながら治療をおこなう。

この立位条件は大変重要だ
条件を無視したばあい治療は作用しない。なぜなら、身体は1秒間に1億の刺激をうける。そのため、脳には高い「刺激を防ぐブロック機構のようなものがある」。このブロックで治癒信号が脳に通じる前に消去される。

臨床におけるすべての治療後に、パーマー方式:ハカリ/下げふり糸で検査することを薦める。

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95回目 トムソンテーブルの使用

自宅から、トムソンテーブルを治療所の方に運んだ。テーブルの調整も、当時の感覚に
調整しなおしてもらった。info@waichisato.com

45年ほど前の話になる。いまは伝説になった:トムソン/ピアース/ガンステットに、
技術と考え方を教えてもらった。来日はそれぞれに異なってはいたが、講義のため何度も来てくれた。その度ごとに色々なことを教わった。

3人はトムソンテーブルを使用することにおいて、世界最高峰のカイロプラクターであったと確信する。

トムソンテーブルの開発者クレイ・トムソン。「トムソン・ディア―フィールド法」を
日本人に教えてくれた。

ウォルター・ピアース。そのアジャストメントからダイナマイトと称された技法。ピアース先生から私は、アジャストメントを受けた経験がある。

ダイナマイトと称されるほどトムソンテーブルは音をたてるが、私にはまったくと言っていいほど、アジャストメント時の衝撃はない。この感覚は見ていては分からない。アジャストメントを受けたものでなくは分からない感覚だ。

出来る/出来ないは別にして、方法はおそわった。私がパーマー大学に入学をすることを、知っていてもらったお陰だ。

講義とは異なる日におこなわれた「オープン・クリニック」では、ことさら臨床と講義の異なりも教えてくれた。
*オープン・クリニック:受講をしている治療者が、彼らの患者さんを先生方にみてもらう日。講義とは別の日におこなわれた。これらもその都度、私は見せてもらった。

マートン・ガンステットに至っては、まさに芸術。エレガントという言葉がそのまま当てはまる。

今でも鮮明に記憶していることがある
四国の山崎君がガンステットの治療後、アジャストメントを受けた患者さんのその部位に触れた。彼曰く「本当だ、まったくコリ/緊張が取れている」と言った。

❖トムソンテーブルを使用する最大の利点は
治療対象部を正確に表現化できること。点とは位置はあってもその面積はない。線も同じように考えることができる。位置はあっても幅はない。こう述べると、話にならないので、仮に正中線の幅を1mmと仮定しよう。背骨への治療は、治療対象部が正中線から1mm程度離れたところに出現したときだ。

言い換えれば、頭部/四肢/体幹からの力学負荷を最小限にしたとき、「もし背骨に治療対象部が出現したとすれば、正中線から1mm程度外側になる」。

誤解がおきるといけないので再度述べる。「もし治療対象部が背骨に出現したら」という条件がついていることを忘れないでほしい。出現するとは言っていない。

次回は仙腸関節部のアジャストメントについて述べる。
仙腸関節部を治療後、パーマー方式のハカリ/下げふり糸に合格できるように治療するにはどうする。

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94回目 睡眠時の光と体重増加

❖記事によると、夜の睡眠時に何らかの照明:窓から差し込む街のあかり/目覚まし時計につくライト/室内照明等にあたっての睡眠は、女性の体重を増やすという。(記事は男性とは言っていない)。

追跡5年間の調査結果では、体重5㎏以上増加する人の割合は17%になった。
睡眠時間/食事/身体活動などの因子について調整をした後でも、光→体重増加の相関関係は変化しなかったという。

研究者によれば
光による体重増加をふせぐには睡眠中、人工光からの暴露をさけること。暗くして寝ることが良いようだ。

理由
睡眠をそくすメラトニンの分泌が、光によって抑えられる。結果、体内時計/食事パターンにみだれが生じる。

❖夜に食事をすれば太ることは知られている
関係する物質は、たんぱく質:BMAL-1(ビーマルワン)。活動リズム(サーカディアンリズム)を調整する。その濃度は1日のなかで変化する。

BMAL-1は昼間少なく、22時ころから増加。午前2~4時ころピークに達する。太陽光と関係がつよく、朝日を浴びると減少する。      

BMAL-1のはたらき
脂肪の分解を抑制。逆にいえばBMAL-1の増加は、体内に脂肪をため込みやすい状態になる。だから夜に食事をすると、脂肪が蓄積されやすいのだ。         
❖生理学から                                  ヒトは昼間、糖質からエネルギーを補給。夜は脂肪からエネルギーをつくる。そのため 深夜帯に食事をとると、脂肪が蓄積されやすくなる。
                                        ダイエットをしている場合、午後10時までに食事を終わらせると良いようだ。
❖では動物の肥満はなぜ起きるのか?
興味ある結果を読んだ。ヒトとの対比がおもしろい。

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