98回目 体表医術 冬に向かって

97回目に述べた、「事象の原理の把握」は、本年度最後のテーマとして100回目に述べる。 info@waichisato.com

治療を考えるには、各項目から独立的に患者さんを診ると良い。頭の中に円をえがき、
その中心に患者さんをおく。円周上に自分なりに定めた観察点をいくつか配置する。

私の場合、5つほど観察点かある。今回はこれから冬季に向かって大切と思われる、1つを述べる。

❖季節/気温から
冬季3か月間ほどは、身体の反応を捉えることは難しい。その方策として15~20分ほど患者さんに、予約時間よりも早く来院してもらう。外気温と身体温の差をうめるためだ。
勿論、患者さん各自にもそれぞれ予定もあると思うが。

ほ乳類は恒常性維持機能によって、体温は一定に保たれている。その保たれている体温が、あたかも外気温の影響を受けて変化しているようにみえる。

身体から放射される「表現不可」の放射ゾーンが、冬季では抑制状態になっている。残りの9か月間ほどは、放射ゾーンの高さにバラツキはあっても捉えることができる。

いま15~20分の待ち時間と述べた→勿論、それ以上長くてもよい。
時間をかけ治療室温をもちい、患者さんをいわゆる「常温」にもどす。身体反応を正確に診るための条件の1つだ。
空いたベットがあれば、寝ていてもらってもよい。待合室で待っていてもらうのも良い。

 *余談:温められた空気は上昇する。足元を温めるため、流行の空気サーキュレーターを導入することを薦める。床暖房があれば、なおさら良い。

冬季では
身体反応が遠赤外線部分からのものか/サブミリ波~ミリ波領域からの反応かを見極めることが非常に難しい。その日の気温によって対象部が変動する。

❖「間」について
温かい時期でも「間」が必要なことはおおい。まして冬季では、アジャストメントとアジャストメントの間に、身体の反応時間がいる。これを「間」と表現した。
「間」は治療進行に重要な役割をなす。「間」を無視すると、次の治療対象部の特定に
大きな影響をあたえる。

*余談:臨床からいえることは、冬季では1~2分ほどの「間」がいる。
「間」をどのくらいにするかは各自にまかせるが、ともかく「間」はいる。

冬季では「間」が治療のキーになる。

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97回目 アジャストメントを考える

手技独特の考え方の1つに、手を道具化するというものがある。手技はそれしか方法がないともいえる。この出発点こそが、手技療法者に誤解にまねく土壌となっている。
道具の習得が、そのまま治療ができるという錯覚をみちびく。

例えば鍼灸師には鍼/灸という道具がある。漢方医には湯液がある。次は道具をどのように用いれば良いかを考えればよい。
・道具(鍼/灸/湯液)+観察(診断の意味を含む)+治療体系→治癒に向かわせる。

手技は違う。道具がない。いわゆる「カイロ・テクニック」というようなものを学ぶ必要がある。
・道具無し→手を道具化させる→技術を習得する+(――――――)→治癒に向かわせる。(――――――)この部分が手技にはない。

実は(――――――)の部分が手技の落とし穴になっている。手技の習得=治療で出来るという錯覚だ。

カイロ・技法を習得したことは、治療ができるということにはならない。鍼灸/湯液でいうとこの、道具を手にいれた段階にしかすぎない。

❖手技療法者も個々に色々な方法で、(―――――)の部分を補ってはいると思う。
方法はいくつかある。その選定法の1つに私が提案するのが、「事象の原理の把握」だ。

例えば手技療法者が良く用いる脚長測定。原理として2つのものの比較はできない。基準がないからだ。測定には基準となる3本目がいる。

また
非線形系の原理から、「全体は部分の集合より常に大きい」。部分である脚長から何かをもとめることはできない。

中には身体のどこかを触れ、結果として脚長が変化するかどうかを診る者がいる。
脚長変化を誘発した部位に、アジャストメント(=カイロ・治療の意味)をくわえるためだ。

本当に触れた位置以外に脚長を変化させる部位はないのだろうか?無いという確証のないまま、アジャストメントをする。

いまの手技療法は不思議なことがおおい。

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96 回目 骨盤部

カイロプラクティック医術の世界では以前から、骨盤部を重要な治療対象部の1つとしてきた。あえてここに取り上げた理由は、今日の日本におけるその治療方法/考え方に少し疑問を感じるところがあるからだ。 info@waichisato.com

骨盤部分は仙腸関節部/恥骨部をかいして上半身の重さを下半身に伝える、いわば重さの伝達路になる。下半身の力を上半身に伝えるともいえる。

とくに仙腸関節部は治療の進行過程におけるマイルストーンの役目をする。治療対象部がマイルストーンを通過しないばあい、まだどこかに治療を必要とする箇所が残っている。

   *マイルストーン:本来の距離標識の意味ではない。ビジネス用語で用いる、
   「大きな節目」「経過点」「中間目標点」の意味で使用した。

❖パーマー・カイロプラクティック技法
骨盤への治療は分けている:仙骨部/腸骨部/坐骨部/恥骨部。仙骨への代表的な方法が、ローガン・ベイシックになる。

ローガンは治療の進行過程において仙骨治療への有効な方法の1つといえる
・ディア―フィールド・マイナス
・SOTにおけるカテゴリーⅡ
・仙骨変位:AI-PS等に使用する。

Dr.ピィアースもローガンを多用していた。

❖ヒトの仙腸関節部は、
二足歩行で発展した。それを臥位で治療することについては「?」だ。重さの加わる方向が異なる。

ではどのように仙腸関節部を治療すれば良いのか?治療対象部が仰臥位でなく/腹臥位でもなく、立位であるという条件下が整ったという意味において
・立位で/足踏みをさせながら治療をおこなう。

この立位条件は大変重要だ
条件を無視したばあい治療は作用しない。なぜなら、身体は1秒間に1億の刺激をうける。そのため、脳には高い「刺激を防ぐブロック機構のようなものがある」。このブロックで治癒信号が脳に通じる前に消去される。

臨床におけるすべての治療後に、パーマー方式:ハカリ/下げふり糸で検査することを薦める。

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95回目 トムソンテーブルの使用

自宅から、トムソンテーブルを治療所の方に運んだ。テーブルの調整も、当時の感覚に
調整しなおしてもらった。info@waichisato.com

45年ほど前の話になる。いまは伝説になった:トムソン/ピアース/ガンステットに、
技術と考え方を教えてもらった。来日はそれぞれに異なってはいたが、講義のため何度も来てくれた。その度ごとに色々なことを教わった。

3人はトムソンテーブルを使用することにおいて、世界最高峰のカイロプラクターであったと確信する。

トムソンテーブルの開発者クレイ・トムソン。「トムソン・ディア―フィールド法」を
日本人に教えてくれた。

ウォルター・ピアース。そのアジャストメントからダイナマイトと称された技法。ピアース先生から私は、アジャストメントを受けた経験がある。

ダイナマイトと称されるほどトムソンテーブルは音をたてるが、私にはまったくと言っていいほど、アジャストメント時の衝撃はない。この感覚は見ていては分からない。アジャストメントを受けたものでなくは分からない感覚だ。

出来る/出来ないは別にして、方法はおそわった。私がパーマー大学に入学をすることを、知っていてもらったお陰だ。

講義とは異なる日におこなわれた「オープン・クリニック」では、ことさら臨床と講義の異なりも教えてくれた。
*オープン・クリニック:受講をしている治療者が、彼らの患者さんを先生方にみてもらう日。講義とは別の日におこなわれた。これらもその都度、私は見せてもらった。

マートン・ガンステットに至っては、まさに芸術。エレガントという言葉がそのまま当てはまる。

今でも鮮明に記憶していることがある
四国の山崎君がガンステットの治療後、アジャストメントを受けた患者さんのその部位に触れた。彼曰く「本当だ、まったくコリ/緊張が取れている」と言った。

❖トムソンテーブルを使用する最大の利点は
治療対象部を正確に表現化できること。点とは位置はあってもその面積はない。線も同じように考えることができる。位置はあっても幅はない。こう述べると、話にならないので、仮に正中線の幅を1mmと仮定しよう。背骨への治療は、治療対象部が正中線から1mm程度離れたところに出現したときだ。

言い換えれば、頭部/四肢/体幹からの力学負荷を最小限にしたとき、「もし背骨に治療対象部が出現したとすれば、正中線から1mm程度外側になる」。

誤解がおきるといけないので再度述べる。「もし治療対象部が背骨に出現したら」という条件がついていることを忘れないでほしい。出現するとは言っていない。

次回は仙腸関節部のアジャストメントについて述べる。
仙腸関節部を治療後、パーマー方式のハカリ/下げふり糸に合格できるように治療するにはどうする。

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94回目 睡眠時の光と体重増加

❖記事によると、夜の睡眠時に何らかの照明:窓から差し込む街のあかり/目覚まし時計につくライト/室内照明等にあたっての睡眠は、女性の体重を増やすという。(記事は男性とは言っていない)。

追跡5年間の調査結果では、体重5㎏以上増加する人の割合は17%になった。
睡眠時間/食事/身体活動などの因子について調整をした後でも、光→体重増加の相関関係は変化しなかったという。

研究者によれば
光による体重増加をふせぐには睡眠中、人工光からの暴露をさけること。暗くして寝ることが良いようだ。

理由
睡眠をそくすメラトニンの分泌が、光によって抑えられる。結果、体内時計/食事パターンにみだれが生じる。

❖夜に食事をすれば太ることは知られている
関係する物質は、たんぱく質:BMAL-1(ビーマルワン)。活動リズム(サーカディアンリズム)を調整する。その濃度は1日のなかで変化する。

BMAL-1は昼間少なく、22時ころから増加。午前2~4時ころピークに達する。太陽光と関係がつよく、朝日を浴びると減少する。      

BMAL-1のはたらき
脂肪の分解を抑制。逆にいえばBMAL-1の増加は、体内に脂肪をため込みやすい状態になる。だから夜に食事をすると、脂肪が蓄積されやすいのだ。         
❖生理学から                                  ヒトは昼間、糖質からエネルギーを補給。夜は脂肪からエネルギーをつくる。そのため 深夜帯に食事をとると、脂肪が蓄積されやすくなる。
                                        ダイエットをしている場合、午後10時までに食事を終わらせると良いようだ。
❖では動物の肥満はなぜ起きるのか?
興味ある結果を読んだ。ヒトとの対比がおもしろい。

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93回目 精神性の疾患について

TV朝日:5/11報道ステーションで、「パニック障害」について特集をしていた。罹患する確率は100人に1人。
アメリカの資料によれば、その根源は防衛本能にある。危険にたいする過剰反応の結果が、病的になったもののようだ。 

それではと思い、精神疾患になる確率をネットでしらべてみた。5人に1人だった。
これには統合失調症/認知症は含まれていない。
   *統合失調症:現実との接触がうまく運ばなくなる。

エネルギーの同種/異種性から考えると、物理エネルギーをつかう体表医術は、異種である精神エネルギーに対して作用をしない。臨床ではかなりの苦戦をしいられる。

私の教え子の中に、60歳定年まで教師をしていたYさんがいる。定年後、鍼灸学校にかよい免許を取得。去年開業した。

特筆すべきこと
Y さん、すべての患者さんではないが、彼の治療室で共にお茶を飲む機会をもっている。
患者さんから色々な話を聞く。とに角、患者さんの言うことをじっくり聞くというのだ。どうやらYさん、聞くという能力に長けているようだ。

この話を聞いて、私は彼に100点をつけた。「素晴らしい」。これ以外に言葉がみつからない。残念ながらキャラクターが異なる自分には、Yさんの真似はできない。

「TV・ホンマでっか!」に時々出演している、慶応大学・植木理恵教授が言っていた。
「人はただ集まって話し合いをしようといっても、喋らないし/意見もいわない。ただそこに飲み物/食べ物があると、喋るし/意見を言う」というのだ。

このブログを読む方のなかには、治療歴40年をこえる方もいると思う。40年以上の治療歴があれは、十分に人生大学を謳歌しただろう。生きた知英をお持ちだと思う。こんな患者さんの話を「じっと聞く」という提案をしてみた。

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92 回目 体表医術・単独での範囲をこえる

今年2/9日。4月から新大学1年生になるA青年が来院。親元を離れるので心配になり、それまで来院してくれていた、母親が一緒に連れてきた。

特筆すべきこと
中学生のとき自転車ですべて転び、その頃から視力が低下しだした。歯列矯正は小5~
6年の頃に開始。中学3年のとき終了。

テーブル上・仰臥位で寝ている間、とにかく身体のどこかを動かしていた。1分も経たない
内に次→次→次と、動かしだす。手指については、いわゆるポキポキを5指すべてにおこなう。足趾についても手指と同じような仕草をする。
この様子から身体が熱いのだと理解した。本人にもたずねた。「とにかく身体が熱いと訴えた」。

❖増熱傾向を考える
何らかの理由をうけ、身体は増熱化傾向にある。血液検査は正常値をしめすことから、
その本体は分からないが臓器レベル/疾患レベルではない。

増熱化は持続的であることから、体表医術単独での治療範囲をこえていることが多い。
氷で冷やせばよいという考え方もあるが、対症療法的ではダメなことは確かだ。

恒常性維持機能は有顎類・デボン紀(4億1600万年前~3億5900万年前)で獲得した機能になる。かなり古い。対処療法で簡単に変化させられる機能ではない。

臨床から理解していたことは、「熱源を対象とする治療は、体表医術・単独での治療範囲をこえている」というものだった。

その日の治療には1時間30分ほどかかった。次に3月28日を予約してもらった。

❖なぜ2か月近く、次の予約日を離したのか?
熱が下がるまでの待ち時間がほしかった。その間、ターメリック(ウコン茶)を飲むことを進めた。 *切開手術経験者には、ターメリックは使わない方がよい。

3/28日来院してくれた
テーブルに仰臥位で横になってもらった。治療には1時間10分ほどかかった。その間、彼はテーブル上で目立つような動きはなかった。ただ静かに横になっていた。本人も身体はもう熱くないという。

今までつねに身体を動かしていないといけないので、勉強に集中できなかったとも言った。本人は大学にいってもターメリックをのみ続けるそうだ。

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